-古本屋ATrACT-漫画図鑑vol.88
力の在り処
作者:榎本ナリコ
巻数:全2巻
発表年:2002~2003
掲載:WEEKLY漫画アクション榎本ナリコが人間の心のさらに深い奥の部分を描く超異色作。ひきこもり、緘黙児童、リストカッター、DV……現代社会ではじかれ、虐げられた弱者たちが“仲間”として集うとき、“特別な力”がうまれる!!
このことばは”力”をくれるーーーー
社会的弱者たちが得た、ある「力」。
だが、その力は他人との関わりの中でしか機能しないという何とも歯がゆいもの。
当然、自分1人だけでいる時は使えないので、
日常生活では全く役に立たない。
3人以上でいることで、人の心が読めたり、傷を癒せたり、筋力が上ったり…
心に弱さを負い、今までひとりぼっちで生きてきた者たちが
寄りあつまることで生まれた「力」。
中盤までは社会的弱者ゆえの心の弱さがもどかしい(正直あまり面白くない)展開が続いたが…
終盤に向けて収束して行く人間関係、
そして明かされた「力」の”正体”は非常に面白かったし考えさせられた。
余りにも生きづらい現代社会。
自分自身で自分を無力だと思い込んでしまっている人が多いんじゃないかな。