【vol.93】何かが100になったとき、爆発する超能力少年モブ。フツーの青春を願うモブに、平穏な日々は訪れるのか…?『モブサイコ100』

-古本屋ATrACT-漫画図鑑vol.93

モブサイコ100

作者:ONE
巻数:全16巻
発表年:2012~2017
掲載:裏サンデー,マンガワン
出版:小学館

何かが100になったとき、爆発する少年モブ。外見はいたって普通ーというよりむしろ地味。場の空気を読むのが苦手な彼は、実は強力な超能力の持ち主だった。

はい、とても面白かったです。

フツーの生活を送りたいのに…超能力者であるが故の苦悩、葛藤がこれでもかというほど描かれていた。

 

主人公のモブは、強大な超能力の持ち主だとはいってもそれ以外はフツーの中学二年生と何も変わらない。

フツーの学校生活、フツーの友情、フツーの悩み、フツーの恋愛…
超能力を持っていたって、フツーの青春を送ることを望んでいる。
中学二年生という多感な時期を生まれつき持つ超能力と共に過ごさなくてはならないモブ。
そんな彼の能力に目をつけ、次々と現れる宗教団体、不良番長、謎の秘密組織…

フツーの青春を願うモブに、平穏な日々は訪れるのか…?

 

まず、自称・霊能力者で「霊とか相談所」を営むモブの師匠・霊幻最ッ高にカッコいい

ズル賢くて嘘吐きで、本当にダメな大人なんだけどな。
だいたい「霊とか相談所」ってなんだよ。こんなトコ相談しに来る奴も来る奴だぞ。

「ソルトスプラッシュ!!!」

(食塩を激しく撒き散らす霊幻の必殺技である。)

でも、大人ってのはこうあるべきだっていうカッコよさがある。
キメるときはキメるんだよ。人としてこうなりたい。

「なぁモブ。ずっとお前に言えなかったことがあるんだよ…」

 

絵柄はかなりお粗末に感じますが、それが逆に味を出しているという奇妙な例。
多分こんな絵柄でなかったら重過ぎて読めないんだと思う。

ストーリーは本当に重いんだけど、コメディセンスが光りすぎてて
テンポも物凄く良くてどんどん読めちゃったのがまたすごいところ。
こんな一気に漫画を読んだのも久しぶりでした。

 

世界征服を企む秘密結社とか、この世界を支配する「神」になろうと暗躍する悪霊とかとか。。。とてつもないスケールの敵と散々あれだけ戦ってきたのに、

この物語のラスト・到達点が「青春の1ページっていうのが本当に素敵だと思いました。

 

人の心の成長を泥臭くも綺麗に描いた漫画。

総評:93%
オススメ度:★★★★★