【vol.16】どんな時だって、大切なものに気付いた瞬間から幸福は始まるのではないか。『三日間の幸福』

-古本屋ATrACT-小説図鑑vol.16

三日間の幸福

作者:三秋縋
発表年:2013
出版:アスキー・メディアワークス

どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。未来を悲観して寿命の大半を売り払った俺は、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になるが、何をやっても裏目に出る。空回りし続ける俺を醒めた目で見つめる、「監視員」のミヤギ。彼女の為に生きることこそが一番の幸せなのだと気付く頃には、俺の寿命は二か月を切っていた。

大切なものに気付いた時にはもう遅い、とかよく言うけど、本当にそうなのだろうか。

どんな時だって、大切なものに気付いた瞬間から幸福は始まるのではないか。

総評:81%

オススメ度:★★★★☆