-ATrACTシネマ-アニメ図鑑vol.6
フリクリ
凄いことしか起こらない。
「凄いことなんてない。ただ当たり前のことしか起こらない。」が口癖の主人公・ナオ太くん。
彼の今までの生活(またはその後の生活)はそうであった(ある)のかもしれないが、
この『フリクリ』物語内では凄いことしか起こらないし。当たり前なことは一つも無い。
初っ端から自称宇宙人・ハル子さんにバイクで撥ねられ、ギターでぶん殴られ、たんこぶから角が生え、ロボットが生まれ、大バトルが勃発する…
何故、このような事が起こるのか。『フリクリ』はそんなことをいちいち説明をしてくれるような生易しいアニメではない。
ただただ、観る者を全力で置いて突っ走っていくハチャメチャな超展開。予測するだけ無駄。まさに混沌。どうなってんだコレーーーッ!!
テーマとか、言ってることの一つ一つはなんとなく分かるぞ。ナオ太くんの青春的成長だ。
ただ、そんなとき、ハル子さんの声が頭に響く。「分かった気になんてなるなよ?」
もう、最高だ。難しいことは何も考えるな。感じろ。身を任せろ。凄く心地良いんだなコレが。
圧倒的情報量、ころっころと変わる作風、いとも容易く超えられる第4の壁、超作画アクションシーン…
そして’the pillows‘が奏でるハイBGM!
実は私はもともとピロウズが好きで、ピロウズの楽曲がBGMとしてカッコ良く使われているって聞いて観始めたんですよ。『Little Busters』が流れるシーンで毎回テンション爆上がりっす。
ピロウズの音楽があり得ないほどピッタリ合ってて、一ミリの狂いもなく心臓が跳ね上がる。
まあ、とにかく「ウソもホントもどっちでもいいじゃん?」ってスタンスで、頭を空っぽにして楽しんでほしいアニメ。
私はもう、考察とかしたくない。ただ楽しかった。カッコ良かった。感じることは人それぞれで良いんだよ。
総評:96%
オススメ度:★★☆☆☆
タイトル:フリクリ
監督:鶴巻和哉
アニメーション制作:Production I.G,ガイナックス
音楽:the pillows,光宗信吉
話数:全6話
発表年:2000~2001